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森とはたらく 葛巻町森林組合

公開日 2021年11月19日

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(左)松倉彩歩さん:東京都出身、(右)滝又豊さん:葛巻町出身

 

葛巻にきたきっかけは?

(松倉彩歩さん)
 松倉さんは葛巻町森林組合で唯一の女性の現場職員さん。環境について学ぶ専門学校に在学中、林業に興味を持ち「いわて林業アカデミー」に参加したのがきっかけで葛巻町へ。「とにかく人がやさしいな、と思いました。外からきた私にも皆さん親切で、ここならやっていけそうだなって思ったんです」と、松倉さん。

(滝又豊さん)
 以前は仙台でサービス業に従事し管理職をしていた、滝又さん。「森林組合の仕事を始めたら、生活が規則正しくなりました。体を動かすようになったのでスマートになるかな?と思ったんですが、そのぶん、ご飯が美味しすぎてあんまり変わっていません(笑)」と笑顔。

 

普段の仕事の様子

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 数人ごとにいくつかのチームを作り、作業にあたります。
 滝又さんと松倉さんがこの日していた作業は、背丈の低い草を刈り取る「下草刈り」でした。

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 ポケットには草刈り機の燃料と、飲み物。安全のために、厚手の作業服やヘルメットを着用しながら、外での作業が続くので、熱中症予防には特に気を使っているそう。
 大きな草刈り機を担いで、木々の間に入っていきます。

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 このあとは作業場を移動し「薪の学校」へ。古い校舎を活用したこちらの作業場では、木を決まった大きさに切り割りし、束ねて種類ごとに分けて保管します。主に関東圏へ出荷するための薪を加工する場所です。

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 入社してすぐ「薪の学校」で働いていた時期があったという松倉さん。「同じ大きさにそろえて、まっすぐ切るのが難しかったですね」長さを見定めながら慎重に切っていきます。
 周りにいたベテランスタッフの方に入社当時の松倉さんのお話を聞くと「松倉さんは入ってきた時から器用で、ガッツもあったんだよ」と皆さん笑顔に。

 

仕事の魅力

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(松倉さん)
 「薪の学校で『最初だから、無理しないで。木を束ねるだけでもいいんだよ』と気遣ってくれた上司に『早く自分で木を倒せるようになりたい、仕事をもっと覚えたい』と話したらびっくりされたんです。現場に女性一人、というと大変そうに聞こえるかもしれませんが、一緒に働く仲間は気遣いもありつつ、平等に接してくれるのでとても居心地良く働けています」

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(滝又さん)
 「仙台で管理職をしていたころとは、生活がガラリと変わりました。夕ご飯を家族みんなで食べる、朝早く起きて、お日さまの下で体を動かして、ぐっすり眠る。そういう『あたりまえ』が嬉しいですね」

 

おまけ

 お二人と過ごした、葛巻町森林組合の一日。太陽を浴びて、自然を相手にする仕事はデスクワークには味わえない充実感が感じられました。
 「自分たちが植えた木が商品になるのは見ることができない。というのは、他の職業とは違う部分かもしれませんね。その分、前の世代が植えた木を大切に商品にしていくんです」というお話が印象的でした。

 山を育て整えて、次の世代にバトンを渡していく。長い時間軸の中に携わることができるお仕事ですね。

 

  【取材日】2021.08.02
  【所属名】葛巻町森林組合

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